無限∞空間ー新館

1973 MFJ第3戦ノービス125 (CB125S鈴鹿レーシングSPL) 「21」於: 鈴鹿サーキット

バイク事始-7

「スーパーカブ」の量産工場として建った鈴鹿製作所は10年を経て
 
入社当時、すでに「世界一」のバイク量産工場になっていた
 
職場は、C50/C65/107のエンジン加工ラインの直ぐ横に有ったので
 
加工の様子は観察出来たし、加工現場にも頻繁に行っていた
 
中でも一番気に入ったの機械は、107(CB90)のケースを自動加工する
 
「トランスファーマシン」で、一気にクランクケース加工を済ましてしまう
 
2階の食堂入口の反対側の手すりから、良く眺めていたものだ
 
幅5m長さ15mほどだったか、とにかく大きい一体加工機だった
 
2016年の現在でも、90系縦型エンジンの「軸配置」寸法は、
 
変わっていないので、もう46年も作り続けている機種だ
 
現代の「スーパーカブ」はすっかり様変わりした外観になったが、
 
90系縦型は、ほぼ同じ外観を保っている(国内産ではないが)
 
横型エンジンは、5000台/日以上作っていた記憶が有る
 
C50系の加工ラインは、単能機が多く作業員が夫々張付いていた
 
加工不良部品の修正は効かないので、刃具砥ぎも忙しかった
 
自分は「リーマ」「荒仕上カッター」の担当だったが、
 
「門前の小僧」みたいに「ドリル研ぎ」も自然に覚えて行った
 
先輩係員が纏めた「工具マニュアル」も作成され、少し勉強した
 
工具(刃具)の切削理論的な内容にも触れられ、
 
その後、転職した先でも結構読み直したりして役立った
 
今想えば、加工の実際を見聞きし刃を砥ぎ直す機会なんて
 
めったに無い良い経験だったのかも知れない
 
今も「包丁」「鎌」等の「砥ぎ直し」には自信が有り
 
手持ちのドリルは砥ぎ直して使っている